水生動物にも陸上動物と同じように様々な感染症があり、養殖産業における重大な問題を引き起こしています。さらに、近年では漁業資源や生態系への悪影響も懸念されるようになっており、感染症は持続的に水産資源を利用するために解決すべき課題の一つです。

そこで当研究室では、「魚介類の感染症とどのように闘うか？」という意識をもちつつ、色々な感染症について、野外調査、診断、感染実験、飼育試験、細胞培養、分子生物学的技法など、特定の方法に拘らず、病原生物と魚介類の両方の観点から解決に向けた研究を進めています。

また、病原体の中には、宿主の生体防御からの回避、宿主の行動・生理の操作、さらに宿主体内での効率的な増殖など、寄生・感染を成立するためのユニークな『仕組み』を備えているものも多く知られています。これらのメカニズムを明らかにすることは、当該病原体による感染症対策に繋がるだけでなく、宿主である魚介類の生物学的理解につながる可能性もあり、特に関心を持って取り組んでいます。